Quartus IIのバージョンが新しくなり、15.1からQuartus Primeと呼ばれているようです。
バージョン 15.1 より、Quartus II ウェブ・エディションは、Quartus Prime ライト・エディションとなりました。
-Altera社のサイトより:https://www.altera.co.jp/downloads/download-center.html
公式サイトの説明によると、Spectra-Q エンジンというものが搭載されて、FPGAデザインの生産性が大幅に向上しているそうです。
ではちょっと試してみようと思ったのですが、よく資料を読んでみると無償のライト・エディションではSpectra-Qの機能を利用できないことがわかりました。
Spectra-Q機能 | ライト・エディション | スタンダード・エディション | プロ・エディション | |
論理合成 | Spectra-Q Synthesis | × | × | ○ |
配置配線 | Spectra-Q Hybrid Placer | × | ○ | ○ |
Spectra-Q Router | × | ○ | ○ |
論理合成や配置配線の処理速度を比較しようと思ったのですが、ライト・エディションではあまり違いがなさそうです。ただ、せっかくなので、Quartus Prime 15.1ライト・エディションとQuartus II 15.0ウェブ・エディションで、論理合成と配置配線の実行時間を比較しました。
実行時間の比較
デバイスとデザイン規模
今回計測に利用したデバイスはCyclone V SEA4です。また、デザインはLogic utilization77%の回路規模です。
計測結果
Flow Elapsed Timeの結果を比較します。
まず、Quartus Primeライト・エディション15.1の結果です。
Module Name | Elapsed Time | Average Processors Used | Total |
Analysis & Synthesis | 00:02:53 | 1.4 | 00:04:50 |
Fitter | 00:08:40 | 1.1 | 00:15:45 |
Assembler | 00:00:25 | 1.0 | 00:00:25 |
TimeQuest Timing Analyzer | 00:02:00 | 1.4 | 00:02:47 |
Total | 00:13:58 | – | 00:23:47 |
次に、Quartus IIウェブ・エディション15.0の結果です。
Module Name | Elapsed Time | Average Processors Used | Total |
Analysis & Synthesis | 00:02:48 | 1.4 | 00:04:15 |
Fitter | 00:08:08 | 1.3 | 00:12:09 |
Assembler | 00:00:30 | 1.0 | 00:00:27 |
TimeQuest Timing Analyzer | 00:02:17 | 1.4 | 00:03:05 |
Total | 00:13:43 | – | 00:19:56 |
処理速度はほどんど変わりません。
まとめ
Quartus Primeライト・エディションの論理合成と配置配線の時間は、Quartus IIウェブ・エディションの場合とほとんど変わりませんでした。