評価キットの概要
CQ出版社のFPGA開発キットです。2008年に購入しました。この開発キットには、2個のSpartan3が搭載されています。パッケージにも記載されていますが、FPGA搭載マザーボードというコンセプトの開発キットです。IPコアもいろいろ付属しています。
今となっては若干お高い印象を持ってしまいますが、搭載されている機能を考えると、当時としてはリーズナブルでした。
電源と筐体は別売りです。ATX電源が使えます。筐体はPCのMini-ITX用が使えます。
CPUはドーターボードで接続します。CPUはいろいろな種類が選択できるようになっています。写真は、SH-4Aのドーターボードを接続しています。ドーターボードは75000円位でした。最近ではMicroBlaze MCSのような無料バージョンのソフト・コアが利用できるようになりましたが、当時はそのような選択肢はありません。
当時のPCと同様のペリフェラル端子が搭載されています。PS/2コネクタもあります。
FPGA
FPGAは、Spartan3 XC3S1500とXC3S400が搭載されています。XC3S1500には16Mバイト/32ビット幅のSDR-SDRAMが搭載されています。この開発キットでは、XC3S1500がメイン、XC3S400がペリフェラル用という使い方が一般的です。リアルタイムの画像処理用途の場合、もう少しSDRAMの容量と帯域が欲しい所ですが、SDR-SDRAMなので設計の難易度が低いという利点もあります。
SH-4AとSpartan3は、PCIまたはSH-4Aのローカルバスで接続可能です。
開発ツール
SH-4Aの開発ツールは、無償のKPIT GNUツールが使えます。HEWも使えます。SH-4Aドーターボードには、あらかじめモニタ・プログラムが搭載されていたので、SH-4Aの開発は非常に快適でした。
実際の活用
この開発キットは、3Dレンダラの実装や、OpenCoresのEthernet,USB,PCIのコア実装など、実かなり活用しました。
最近の開発キットは、USBケーブルを使ってPCに接続するだけでビルドイン・ロジックアナライザが使えるものがほとんどです。また、ロジックアナライザのライセンスも、開発キットにノード・ロック・ライセンスが付属していたりします。しかし、このボードが発売された時期にはそのようなライセンス形態は一般的ではありませんでした(デバッグにはプラットフォームケーブルとChipscopeのライセンスが必要)。このため、システムのデバッグに非常に時間がかかりました。
Spartan3のコンフィギュレーションに関しては、プラットフォームケーブル不要でPCからコンフィギュレーション用ROMにデータを転送できるツールが準備されていました。